ブレザーは、ジャケットの一種で、最もポピュラーな学校制服です。
ブレザーには、ボタンがダブルのものとシングルのものの二種類があります。ダブルのものは、イギリスの軍艦「ブレザー」にちなんで、シングルのものは、真紅を意味する「blaze」から、それぞれとられたと言われています。
シングルのブレザーは、1860~70年代、イギリスのテームズ川にて行われた、ケンブリッジ大学対オックスフォード大学のボートレースで、ケンブリッジ大学の選手が燃えるような赤いジャケットを着用しており、それを見た観衆が「オー・ブレザー」
と叫んだことが語源という説もあります(杉浦 1993)*。
最もポピュラーな制服だけあって、バリエーションも非常に豊かです。色は紺や黒などのダーク系が多く、たまに濃い赤やキャメルなどの明るい色も見受けられます。
襟にはボタンを留めるような穴が開けられています。元は襟を立てるためのボタンホールの名残と言われていますが、ここに花を挿したことからフラワーホールとも呼ばれています。
袖にボタンがついていますが、袖が開けられるようになっているものは本切羽と言います。ボタンホールがダミー(糸でそれっぽく縫いつけてある)で、ボタンはただの飾りと化しているものは飾り切羽などと呼ばれているようです。
本切羽の場合、袖丈の変更ができないというデメリットもあります。飾り切羽ならば、縫い付けてあるボタンホールのダミーとボタンを取って、丈を調節したあとでまた縫い付ければよいのです。
背中に目をやると、切れ込みが入っています。これはベントと言って、もとは乗馬の際に窮屈にならないように施された切れ込みです。センターベント、フックベント、サイドベンツと、切れ込みが無いノーベントがあります。
*参考文献参照
<2-1:セーラー服の機能とデザイン | 2-2:ブレザーの機能とデザイン | 2-3:>